ASUSが14インチChromebook 5機種を発売!それぞれの特徴、スペック、違いを徹底比較し、あなたに最適な1台をご紹介します。
「ASUS Chromebook CM14 Flip」の概要と2つのバリエーション
「ASUS Chromebook CM14 Flip」の名前が付いた機種が2つあります。
「ASUS Chromebook CM14 Flip (CM1402FM2A-EC0046)」と「ASUS Chromebook CM14 Flip (CM1402FM2A-EC0038)」です(ややこしい)。


実はこの2機種はスペック・価格ともに全く同じで、唯一の違いが、本体収納可能な「ASUS USI Pen」が付属しているかどうか。上記画像は2つの製品写真ですが、ASUS USIペンが写っているものと写っていないものがあります。
同値段、同スペックならUSI Penが含まれていた方が良いに決まっています。含まれていない方はポート数が多いとか、そういったこともありません。正直どういった意図があるのか全く理解できませんが、購入される際は型番の末尾が「46」となっているものを選んで、主な付属品の項目を良く確認してください。
そんな ASUS Chromebook CM14 Flip ですが、名前の通り画面が回転するコンバーチブルタイプのChromebookです。11インチの「CX1102」のようなもっさりした感じはなく、狭額縁のスタイリッシュな見た目となっています。
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製品写真を見る限りではタッチパッドも広くて使いやすそうです。全体的に落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

スペック構成はCPUにMediaTek Kompanio 520を搭載、RAMは8GBでストレージはeMMC 64GB。RAM、ストレージは標準的ですが、CPUに「MediaTek Kompanio 520」を搭載しているところが新しい。
「Kompanio 520」については、まだベンチマークなど出そろっていないので、ここは情報が出てきた時点で改めて追記したいと思います。ただ、下馬評ではかなりの性能を有しているそうです。
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また、ASUS Chromebook CM14 Flipの大きな特徴として、キーボード、タッチパッド、パームレスト全て抗菌加工になっているようです。
さらにキーボードは防滴加工。防滴のキーボードは機種が限られているのですが、万一、飲み物をぶっかけてしまった時に心強い機能です。防滴キーボードはキーボードに底面へと続く排水の穴が開いており、底面へ流れ出す仕組みです。実際に筆者も防滴キーボード搭載モデルを使っていましたが、手元が狂ってハイボールをぶっかけても大丈夫でした。テーブルはビショビショになりましたが。
ASUS Chromebook CM14 Flipは薄さ1.83㎜ながらミリタリーグレードの耐久性であるMIL-STD810Hに準拠したタフモデルです。薄くてスタイリッシュながらタフ、というのはASUSの得意技であり、大きなアドバンテージでもあります。さらにASUSあんしん保証サービスにより、万が一の故障でも自己負担は部品代の20%で済みます。修理は大体部品は安く、技術代が高いのは周知の通り。
バッテリ持続時間は約12.1時間。ただ、タフでロングバッテリーなので、重量は1.53kgと14インチにしては少々重ため。持ち運びメインというより、自宅で快適に作業したい人におすすめのモデルです。
また最新のWi-Fi6にも対応しており、Webカメラプライバシーシールドも搭載。
公式サイトで謎なのが、製品画像に「USB3.2(Type-C/Gen1)ポートを一基と、USB3.2(Type-AGen1)ポートを一基備え、」と記載されているのですが、商品写真では明らかにUSB Type-Cが2つ付いています。下記のスペックシートには「USBポート:USB3.2 (Type-C/Gen1) ×2、USB3.2 (Type-A/Gen1) ×1」とあるので、USB Type-Cポートは2つで間違いありません。
元々の価格は69,800円 (税込)ですが、現在アマゾンではペン付きでRAM8GB ストレージ64GBのモデルが55,000円程度で販売中です。公式サイトでは在庫切れになっています。

ASUS Chromebook CM14 概要
ASUS Chromebook CM14は14型ディスプレイを搭載した頑丈で持ち運びやすいChromebookです。作業効率を追求した設計と、堅牢なつくりが特徴です。
「ASUS Chromebook CM14」は上記の「ASUS Chromebook CM14 Flip」のコンバーチブルタイプ機構をなくしてそのままクラムシェルタイプにした感じです。キーボード・タッチパッド・パームレストの抗菌加工と防滴キーボードで安心して使えるモデルです。

コンバーチブル機構をなくしたおかげか、重量は約1.53kgから約1.45kgへとダウン。
CPUは同じくKompanio 520を搭載しています。
RAMなどのスペックは同じですが、何故かバッテリ持続時間が約14.2時間となっています(Flipは約12.1時間)。もしかするとコンバーチブル機構をなくしたおかげで、より大きなバッテリーが搭載できたのかも知れません。
こちらのモデルについてはUSI Penは非搭載。インターフェースは「USB3.2 (Type-C/Gen1) ×2、USB3.2 (Type-A/Gen1) ×1」と標準的です。ちなみに、製品画像には1基ずつ、とありますが誤りです。
この薄さと質感で価格は49,800円 (税込)とリーズナブルです。
14インチモデルのChromebookは性能低めのエントリーモデルと価格が高いプレミアムモデルに2極化しているのですが、今回の「ASUS Chromebook CM14」はミッドレンジで性能も良い部類。
14インチクラムシェルは今まで「富士通 FMV Chromebook 」1択でしたが、これなら十分選択肢となりうるモデルだと感じます。
※ 現時点では在庫が薄いゆえか価格が高騰しており、CM Flipとの価格差がなくなっているため、CM Flipがおすすめです。

立ち位置が全く見えてこない「ASUS Chromebook CX1 CX1400」
「ASUS Chromebook CX1(CX1400CKA-EB0152)」もCM14と同じく14インチのクラムシェルタイプです。

これがなかなかの曲者。
こちらについては抗菌加工や防滴キーボードもなく、きわめて普通のChromebookなのですが、CPUに今となっては古い感じが否めない、Celeron N4500を搭載。それでいてMediaTek Kompanio 520搭載のCM14よりも価格は高い(税込60,280円)。メモリは8GBでストレージは64GBと、この辺りはスタンダード。
実際のところはまだ分からないのですが、Kompanio 520はワットパフォーマンスでN4500に対して大きなアドバンテージがあるとされています。良くて引き分けとすると、「ASUS Chromebook CX1400」が唯一「CM14」より優れている点はインターフェースで、USB3.2 (Type-A/Gen1) が1つ多い。逆にバッテリ持続時間は、3時間ほど短い。同じタイミングで発売された11インチモデルには「Intel 5100」が搭載されているので、なぜASUS Chromebook CX1400が「N4500」を採用しているのか?? ここがどうにも解せません。11インチにN4500、14インチにN5100とするのが自然な感じもするのですが。
とりあえず「CM14」ではなく、約一万円ほど高い「CX1」を選ぶ理由としては
- 安心安全のIntel Celeronである点
- 見た目
以外に思いつきません。Celeron N4500で6万円越えというのはやはり個人的には抵抗があります。
少しだけ進化した全部入りの「ASUS Chromebook CX34 Flip」
「ASUS Chromebook CX34 Flip」は性能が高いChromebookで、他の4機種とは立ち位置が違うモデルです。
ディスプレイは14インチのコンバーチブルタイプ。現在も販売を続けている、前身の「ASUS Chromebook Flip CX3 (CX3400FMA-E10035)」からのマイナーチェンジといった趣です。

スペックは第12世代の Core™ i3-1215UにRAM 8GB、ストレージにSSD 128GBを搭載。現時点では最高峰のスペックと言ってよいでしょう。
インターフェースは「USB3.2 (Type-C/Gen2)×2、USB3.2 (Type-A/Gen2) ×1」にフルサイズのHDMIポート付き。コンバーチブルタイプにフルサイズのHDMIポートが付くのは珍しいです。


商品画像にはUSB3.2 (Type-C/Gen2)とUSB3.2 (Type-A/Gen2) を2つずつ搭載、とありますが、誤りです。
本体収納式のUSI Pen付属。
価格は109,800円 (税込)なのですが、この値段なら「CM14 Flip」についている抗菌加工や防滴キーボード、ミリタリーグレードの耐久性なども搭載して欲しかったところ。特に耐久性を高めたというモデルでもないのですが、本体重量が約1.81kg。14インチで1.81kgはさすがに重すぎます。その分、バッテリ持続時間が長いかというと約10.3時間と普通。これには実際に触ってみないと分からないところがあるのかも知れません。
こちらのモデルについては5月26日発売です。
また、このモデルにはRyzen™ 5 7520C・Ryzen™ 3 7320Cを搭載したバージョンがあり、アマゾンではそれぞれ93,082円・79,800円で販売中です。Ryzen 5モデルについては公式サイトよりもアマゾンの方が安いためおすすめです。

追記 ASUS Chromebook plus CX34
その後、さらなる後継版のASUS Chromebook plus CX34が発売しました。Intel版と性能は同じで価格は3万円ほど安いため、断然こちらがおすすめです。

結局どれがおすすめ?
現時点(2024年5月)においては最近発売されたASUS Chromebook plus CX34が断然おすすめです。薄さ18.7㎜、MIL-STDに準拠したタフさ、白いボディが魅力的です。

コンバーチブルタイプがお望みの方には「ASUS Chromebook CM14 Flip (CM1402FM2A-EC0046)」一択。Kompanio 520搭載のモデルで上記のものよりも性能は劣りますが、薄さ1.83㎜でMIL-STDに準拠したタフさを誇り、キーボード・タッチパッド・パームレストの抗菌加工と防滴仕様のキーボードが魅力的なモデルです。

今回発売されたモデルを見渡してみた感想
「ASUS Chromebook CM14 Flip」と「ASUS Chromebook CM14」はいい感じにまとまっていて、今後14インチのスタンダードになりそうなモデルです。
2cmを大きく切る薄さでありながらミリタリーグレードに準拠している、というのはASUSの得意技。さらに、すべてのモデルで修理代が部品代の20%のみ自己負担の「あんしん保証」があるので、初めての方でも安心です。
マイナスポイントとしては、今回は調査も兼ねて全部のモデルをくまなくチェックしましたが、商品画像の説明とスペックシートに食い違いがあったり、全体的に雑さが目立ちます。
購入を検討している方は、商品画像をうのみにせず、下の方にあるスペック表をよく確認する必要があります。
ASUSが14インチのChromebookを5つ発表 それぞれの特徴とおすすめのモデル まとめ
抗菌加工や防滴仕様のキーボードにミリタリーグレードへの対応など、ASUSらしいモデルが登場しています。一方で、立ち位置がやや微妙な商品も。
とりあえず「ASUS Chromebook CM14(CM1402CM2A-EK0035)」か「ASUS Chromebook CM14 Flip (CM1402FM2A-EC0046)」にしておくのが無難な選択だと思います。
特に、14インチのChromebookは安いエントリーモデルか、10万円以上の高価格帯モデルかという2択になっている中、ミッドレンジを抑えてきた感じです。同じ価格帯のライバルは「HP Chromebook x360 14c」ですが、ちょっと古くなっているうえ価格が高騰しているので、特にいま選択する理由がありません。
という訳で、リーズナブルな価格の14インチモデルをお探しの方にとっては、今回発売されたモデルは十分検討に値すると思います。
