海外メディアサイト「Chrome Unboxed」によると、MediaTekの新たなチップセット「MT8189」を搭載したChromebookが開発中であることが明らかになりました。このチップを搭載したChromebookは、前モデルよりも大幅な性能向上が見込まれており、モバイルワークやエンターテインメントの分野で新たな可能性を開くことが期待されています。本記事では、MT8189の性能や特徴、そして今後のChromebook市場への影響について詳しく解説していきます。
MediaTek MT8189とは
MediaTek MT8189は、MediaTekが開発中のChromebook向けの新しいチップセットです。
MediaTekのMTシリーズは、同社が開発するSoC(System on a Chip)の中でも、特にスマートフォンやタブレット向けに広く採用されているシリーズです。多様な製品ラインナップを誇り、エントリーモデルからミドルレンジ、そして一部ハイエンドモデルまで、幅広いデバイスに搭載されています。当初は主にエントリーモデル向けのSoCとして位置づけられており、コストパフォーマンスの高さが特徴でした。しかし、技術の進歩とともに、性能向上や機能拡充が重ねられ、次第にミドルレンジ市場へと進出していきました。
MTシリーズの特徴
MTシリーズの特徴として、以下のような点が挙げられます。
- コストパフォーマンスの高さ
同等の性能のSoCと比較して、一般的に価格が抑えられているため、コストパフォーマンスを求めるユーザーに人気があります。 - 多様なラインナップ
エントリーモデルからミドルレンジモデルまで、幅広い性能のSoCがラインナップされており、様々なデバイスに対応できます。 - 電力効率の高さ
バッテリー駆動時間を長くできるよう、電力効率の向上に力を入れています。 - 5G通信への対応
最新の通信規格に対応し高速な通信が可能となっています。
特に最新のMTシリーズはAI処理能力の向上により、カメラ機能の強化やスマートアシスタントの搭載などより高度な機能が実現されています。さらにゲーム向けのSoCも登場し、高負荷なゲームも快適にプレイできるようになっています。
MT8189に期待されること
そして、最新のMT8189では前モデルであるMT8188よりも性能が大幅に向上すると予想されています。具体的な性能向上としては、CPUコアの性能向上やGPU性能の向上などが考えられます。例えばMTシリーズにはMT8195とMT8196というチップがあるのですが、型番が1つしか変わらないにもかかわらず、ベンチスコアは2倍近く伸びています。
MT8188は既にLenovo Chromebook Duetなどに搭載されていますが、MT8189を搭載したChromebookがよりパワフルかつ省電力性の高いものになるのは間違いありません。よりスムーズなマルチタスク処理や、高画質動画の再生、そしてより複雑なWebアプリケーションの利用が可能になると期待されています。
また、高性能なGPUを搭載することで、ゲームや動画編集など、エンターテイメント性の高い利用も可能になると期待されています。
MT8189を搭載したChromebookに期待されること
近年Chromebookを向けのチップセット開発競争はますます激しくなっています。また、Chromebook全体に目をむけると、教育機関や企業での利用が拡大しており、特にChromebook plusの登場も相まって高性能なチップセットを搭載したハイエンドChromebookの需要が高まっています。今のところハイエンドではIntel Nシリーズがほとんどですが、他社が手をこまねいているはずもなく、MT8189はその一環として注目されています。
まだ詳細なスペックは発表されていませんが、今後、CPUコアの種類やクロック数、GPUの種類などが明らかになることが予想されます。これを搭載したChromebookは今年に発売されることが予想されます。
MediaTek MT8189搭載Chromebook開発中 まとめ
MediaTek MT8189搭載のChromebookは高い性能とモバイル性を両立させた次世代Chromebookとなることが期待されます。今後の詳細な情報が待ち遠しいですが、この新しいチップセットがChromebook市場にどのような変化をもたらすのか、事態の推移を見守りたい。