はじめまして、Chromebookを9年以上愛用しているクロームブッカーともぞう(@tomozou3500)です。このブログではChromebookについての情報を発信しています。
今回は自腹購入した「富士通FMV Chromebook(WM1/F3)」の実機レビューをお届けします。
結論から言うとキーボードの出来は期待通り、惜しいところがなくはないですが選択肢として十分検討に値するモデルです。
それでは早速見ていきましょう。
富士通 FMV Chromebook 仕様
富士通 FMV Chromebook(WM1/F3)は14インチのディスプレイを搭載したクラムシェルタイプのChromebookです。
仕様は3種類ほどあるのですが、アマゾンで販売中のモデルは、CPUに「Celeron 6305」を搭載したスタンダードモデルと「Core i3-1115G4」を搭載したプレミアムモデルになります。筆者が今回したのはCore i3搭載のプレミアムモデルです。
詳しくは後述しますが、この富士通 FMV Chromebookは日本語キーボードを前提に製作された唯一のChromebookです。今後、同様の機種が発売されることはおそらくないと思いますので、少しでも長く使えるように「Core i3」のプレミアムモデルを選択した次第です。
「長く使える」というのは自動更新ポリシーの話ではなく(ちなみに2029年3月まで)、年月とともに要求スペックが少しづつ上がるChromebookはちょっと良いものを選んでおくと快適に使える時間がそれだけ長くなります。通常の機種の場合は安いものを使い倒して3~4年で買い替えるということも出来ますが、このモデルの場合はこれで生産終了となる可能性も高い。これが今回Core i3モデルを選んだ理由です。
なお、スタンダードモデル・プレミアムモデルともにメモリは4GBでストレージは64GBと標準的なスペックです。スタンダードモデルはタッチ対応の有無で2機種販売中です。
プレミアムモデルは性能面では不満なし。古いですがオクタンスコアで約36,000と好成績をマーク。RAMが4GBなのでタブを開きまくるといった使い方には不向きかも知れませんが、通常の使い方の範囲内であればすこぶる快適に動作してくれることでしょう。
また、付属の説明書にはリカバリーメディアの作成方法が詳しく記載されているなど親切設計で、この辺りは日本企業らしい良さが出ています。
富士通 FMV Chromebook 外観
天板、側面、キーボード部分のカラーリングはダーククロム。見る角度で色の深さが違って見える、なんとも形容しがたい独特な色合いです。
ただ、落ち着きがある雰囲気で、職場でも違和感なく使える見た目に仕上がっています。
プラスチック素材なので油脂が結構ついてしまいます。底面は普通の黒いプラスチック素材です。
サイズ感は通常の14インチのChromebookという感じで特に変わったところはありません。
重量は実測1293gと14インチの割には比較的軽量で、プラスチック素材が奏功しているようです。
筐体にキーボード部分を被せてある作りですが、つなぎ目が非常に目立ちにくく、製造技術の高さが伺えます。
これは当たり前すぎて大したことではないと感じる方がほとんどだと思いますが、安いPCだとヒンジの部分などに微妙にバリが残っていたりすることがあります。
インターフェースが充実しているのはクラムシェルタイプならではの特徴で、USB Type-AとType-Cが両側面に2つずつ、HDMIポートとMicroSDカードスロット、ケンジントンロックが備わっています。特にHDMIポートは、電源ボタンとボリュームボタンを搭載しなくてはならないコンバーチブルタイプでは、ほとんど付いてこないポートです。
さらに天板を開けたときにキーボード部分に角度が付くエルゴリフトヒンジを搭載。クラムシェルタイプの特性をうまく生かしている印象です。
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富士通FMV Chromebook ディスプレイ
ディスプレイはアンチグレア(非光沢)タイプで映り込みがほとんどなく作業しやすいです。上記写真は正面から撮影したものですが、ディスプレイに私のムーンフェイスが写りこんでいません。初期状態では若干色味が薄く見えましたが、ディスプレイの明るさを上げると気になりませんでした。
ベゼルは左右が6.5mm、上が11.5mm、下が見える範囲でおよそ20mm。この辺りは新しいChromebookとしては標準的です。ベゼルの上にカメラとマイク、インジケーターランプがあり、カメラがオンの間はインジケーターランプが緑に点灯します。
視野角は問題なく、かなり角度をつけたところからでもしっかりと見えます。微妙な角度調整なしに作業可能です。
富士通FMV Chromebook キーボードとタッチパッド
富士通FMV Chromebookの最大の特徴は日本語のキーを前提に作られたキーボードです。
他のChromebookの日本語キーボードは、英語キーボードを前提に作られた本体にキー数の多い日本語キーボードを無理やり詰め込んで一部のキーが短くなったり、妙に詰まったりしているのですが、このChromebookはその問題を見事にクリアしています。これが嫌でいつも英字キーボードモデルを購入しているのですが、このモデルならOK。
また、ダサいフォントになりがちな「かな」表記もこのフォントならOK。
なお、キー幅は約15mm、キーピッチ(キー幅とその右の余白を足した距離)は約19mmとノートPCとしては良好。エンターキーも大きめに作ってあります。
日本語キーボードの最大の特徴は「半角・全角切り替えキー」(左上)の存在と「英数」、「かな」キーの存在。
英数キーは押下すると半角入力へ、かなキーを押下すると全角入力モードになります。入力モードがどちらになっているか分からないときは半角・全角の切り替えを何度かやって確かめるのがクセになっているのですが、英数・かなキーがあるとその必要はありません。Windowsを使うときは重宝している機能です。
ただ、日本語キーボードでもDeleteキーはなく、Alt+Backspaceキーで対応する必要があります。
打ち心地については最高ではありませんが、ノートPCとしてはかなり優秀といった感じです。それなりにクリック感もあります。特に打鍵音は静かなので、キーを強く叩いてしまう方でも周囲に迷惑をかけないで済むと思います。
また、本機にはエリアごとにキーの重さを設定した2段階押下式キーボードが備わっています。言われてみると確かに、という感じです。エンターキーなどが若干軽めになっていて、右小指への負担が減りそうです。
キーが自然に指に沿って疲れにくいとされる「球面シリンドリカルキートップ」は見た目では分かりませんが、指をおいたときにそんな気がする程度です。各キーを液晶側に向かって傾斜させたステップ型キートップは、これも見た目からはわかりませんが、確かにちょっと引っかかりができて、キーの区別が分かりやすいような気がする程度。高レスポンスキーボードは少なくとも入力速度でストレスを感じることはありません。
使う前に写真を撮影した時点では全く分からなかったのですが、実際に使ってみると納得。かといって違和感を生じるほどではない、ほどよい加減だと思います。
ただ、残念なことにバックライトキーボードが非搭載。これがあれば完璧だっただけに非常に惜しい。せめてプレミアムモデルにはつけておいて欲しかったところです。
タッチパッドは普通のプラスチック素材で可もなく不可もなくといった感じです。
その他のポイント
- スピーカーは普通
- ウェブカメラは今ひとつ
- バッテリ駆動時間は10時間
スピーカーはステレオでノートPCとしては良好な部類です。
ウェブカメラは恐らく解像度720p。テレワークには使えますが、そこまでキレイな訳ではありません。
バッテリ駆動時間は公称10時間ですが、実際のバッテリーの減り具合からしても大体それくらい。動画を連続再生したりすると7時間ほどでなくなりそうです。
富士通FMV Chromebook 実機レビュー まとめ
以上、富士通FMV Chromebookの良いところと悪いところは
14インチの割に軽い
ディスプレイがアンチグレアで見やすい
キーボードが打ちやすい
インターフェースが充実
価格の割に質感がややチープ
バックライトキーボードが非搭載
といったところです。
弱点もありますが、アンダー6万円(スタンダードモデルならアンダー5万円)という価格を考えると妥当なライン(現在は40,000円以下なのでお買い得です)。
日本語入力に特化しており、ネットサーフィンや文書作成など、日常使いには十分な性能です。
とにかく希少な日本語専用キーボードがウリのモデル。キーボードを重視する方には間違いなくおすすめのChromebookです。
現在何故か最上位モデルが最安値。絶好のチャンスです。