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Chromebookの新時代到来!MediaTek Kompanio 828、Intel Celeron N5100を圧倒

2022年1月27日

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はじめまして、Chromebookを9年以上愛用しているクロームブッカーともぞう(@tomozou3500)です。このブログではChromebookについての情報を発信しています。

Chromebookにも多く採用されている8183Cを製造しているMediaTek社の新SoC「MediaTek Kompanio 828」の初期ベンチマークが公開されたのですが、想像よりも遥かに高性能であることが分かりました。競合であるクアッドコアのIntel Celeron N5100をあらゆる側面でぶっちぎっています。Intelはきっと戦々恐々たる思いをしていると思います。

詳細を見ていきたいと思います。

MediaTek Kompanio 828とは

「MediaTek Kompanio 828」は近頃のChromebookに多く搭載されているチップである「MediaTek 8183C」の進化版です。

Kompanio 828はMediaTekの最新のSoC(System on a Chip)であり、2つのCortex-A78コアと6つのCortex-A55コアを搭載しています。また、Arm Mali-G57 MC2グラフィックスとMediaTek APU(Artificial Intelligence Processing Unit)も搭載しています。これにより、高度なAIタスクやグラフィックスタスクを実行する際に優れたパフォーマンスを発揮することができます。

Kompanio 828は5G接続をサポートしており、最大7.5 Gbpsのダウンロード速度を実現することができます。またWi-Fi 6およびBluetooth 5.2をサポートしており、高速かつ安定した接続を提供します。さらに高度なセキュリティ機能も搭載しており、データの保護やプライバシーの確保にも対応しています。

Kompanio 828の性能

このたび公開された動画によると、MediaTek Kompanio 828は競合である「Intel Celeron N5100」と比べて、あらゆる面で優れたチップであることが示されています。

まず処理能力を測るGeekbenchスコアにおいて、シングルコアの性能比はKompanio 828(627)がN5100(572)より+9.6%と微増に留まるものの、マルチコア性能ではN5100の1462に対してKompanio 828が2210と約51%上回る結果になりました。

Intel N5100自体あまり聞きなれないため、現在ポピュラーなMediaTek 8183、およびIntel N4000シリーズを比較したのが下の表です。Geekbench R23ベンチスコア(中央値)を参考にしています。

「MediaTek Kompanio 828」と「Intel Celeron N5100」の比較
Kompanio 828はN5100よりも上

一番右端が現在プレミアムモデルに搭載されている第10世代のCore i3です。

これを見ると、N5100はCeleronと言えども、マルチコアのベンチではCore i3に迫る性能であることが伺えます。Kompanio 828がN5100と比較して性能比が151%ということであれば、MediaTek Kompanio 828は少なくともマルチコアのベンチではCore i3を上回る可能性を秘めています

MediaTek Kompanio 828は処理能力だけでなく、他にもグラフィック性能、バッテリ持続時間、マルチタスク性能すべての面でIntel Celeron N5100を上回っています。グラフィック性能を示すGFXBench Manhattan 3.0では+52.3%、輝度を80ニトにして動画を流し続けるバッテリーテストでは、Kompanio 828の方が解像度が上であるにもかかわらず駆動時間では+51.3%と圧倒的に上回っています。

さらにマルチタスク性能ではGoogle Meetを使いながらCADプロジェクトを開くまでの時間を計測するテストでもN5100が38秒かかったのに対してKompanio 828は22秒で終了。

3DのFPSゲームでは30fpsを出すのがやっとのN5100に対してMediaTek Kompanio 828の方はおよそ60fpsで安定しています。画面の滑らかさに明らかな差があります。

MediaTek Kompanio 828があらゆる面でIntel N5100を上回る まとめ

そんなKompanio 828ですが、既にAcer Chromebook 514で採用されることが決まっています。

事前の情報ではバッテリ持続時間が15時間、価格が$399からとなっています。

Core i3以上の性能でこのバッテリ持続時間、かつ値段もかなり安い。Intel Coreシリーズ採用機は性能が高い反面バッテリ持続時間が良くて8時間程度、価格もかなりたかくなるので、Kompanio 828に間違いなく分があります。

さらにARM系のチップなので、Androidとの相性もよさそう。間違いなくゲームチェンジャーとなりそうです。

  • この記事を書いた人

ともぞう

つくば在住のアラフォー会社員。他に「初心者による初心者の為のウイスキーの話など。」や「OLD ROOKIE」などを運営しています。

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